ご寄稿

総務企画担当副校長 市原 義之


 東櫻同窓会会員の皆様方におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。また平素より多大なるご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
 2020年3月、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、学校行事の中止・縮小、学習活動の制限など本当に苦しい時期を過ごすこととなりました。2023年5月、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行しました。コロナ禍という長いトンネルをやっと抜けることとなりました。
 本校としては、昨年度は通常の学校生活を取り戻すべく、生徒と教員の共通の学校テーマとして、「復活と創造」を掲げて一年間を過ごしました。
 特に学校行事を元に戻すといっても、実際はコロナ禍の空白の3年間によって生徒も教員の中にも復活すべき学校行事を経験していなかったり全く知らないということもありました。そういう状況では、単に復活ではなく、新たなより意義のある体験的な活動を創り上げようと、創造という視点を加えました。
 小中一貫学校になってから宿泊学習は3年生から9年生で行っていますが、その全てが実施できました。
 参考までに各学年の宿泊行事を紹介しておきます。
 3年・・・海洋体験(1泊2日)竹野海岸
 4年・・・学習旅行(2泊3日)広島・山口
 5年・・・海浜学習(2泊3日)小豆島
 6年・・・スキー学習(3泊4日)志賀高原
 7年・・・臨海学舎(3泊4日)網野町浜詰
 8年・・・林間学舎(3泊4日)蓼科山
 9年・・・学習旅行(3泊4日)沖縄
 特に、7年の臨海学舎は、紫泳会の方々の協力も得ながら4年ぶりにあの「エンヤコーラ・・・」のかけ声のもと大遠泳にも取り組めました。臨海学舎を終えた生徒たちからも、この行事での経験が本当に大きな成長に繋がっていることを実感しています。そしてこの経験がまた附属京都の横(学年)の絆と縦(同窓)のつながりとなることでしょう。


 中高等部では、タイ国アユタヤ大学附属学校との交流も4年ぶりに再開できました。
 4月に副校長になった私にとってはこの交流事業をどうすれば再開できるのかの見通しが持てませんでした。そんな中、英語科教員が「今、垂井先生がアユタヤにおられます」と驚きの報告、タイ教員のSNSで知ることになり、あとは垂井前副校長に大使のごとくお膳立てをしていただき、相手校とのオンライン会議で交流プログラムが復活となりました。
 10月にタイ国生徒20名と教員5名が来校されました。ここでも生徒たちにとっては、ほぼ初めてのお迎え行事です。以前からいる教員のアドバイスも受けつつ、生徒の有志たちが中心になって校内のデコレーションや歓迎会のステージなどを企画していきます。このおもてなしの1週間はコロナ禍前の歓迎行事に匹敵する出来映えで、むしろ生徒たちにとってはすべてが新鮮で、タイ国生徒とわくわくドキドキの交流をすすめてくれました。そこでの経験や感じたことがそれぞれの国際感覚に貴重な影響を与えたことでしょう。



 今年度に入ってからは,4月に新1年生の入学式も従来の形で行いました。また1年生から9年生が一堂に集う全校対面式も実施することができました。
 やっと日常を取り戻しました。この日常がいかに大切なものであったのかを改めて思いながら、これまで築いてきた小中一貫学校としての取り組みの良さを確認しつつ、生徒たちが躍動する学校づくりをすすめていきます。
 今後とも同窓生の皆様方の変わらぬ温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。