小平27年卒・中67期卒
平成27年卒は、卒業して(もう)9年。成人式以来大きな集まりはない。20代も折り返しで、各々が物語の盛り上がり・成熟期を迎えつつあって、過去を懐かしむ必要があまりないのだろう。SNSで繋がっているとなお、会う必要を感じづらい。そうして誰彼のことも遠い人と思うが、偶然見た同級生の写真に、変わらぬ面影と成熟を感じ、懐かしく思った。人の顔には、不思議な力がある。
人文学を齧ると、附属での日々も客体化し、背後の制度や構造を考えてしまう。卒業すれば皆、数ある卒業生の1になる。だがそこには、漂白できない各々の体験と主観があるはずだ。皆はあの日々をどう体験し、どう解釈してきたのだろう。そんなことを思う。何年後かに集まり顔を見れば、ありふれた人が、まさにその人として立ち現れ、話に花も咲くだろう。その日まで、それぞれの物語が広がっていくと良い。
(尾関武尊)